Wで働くアルバイト学生は4千人(当時)。
2010年1千店舗の時、その数は10倍になる。
やがて彼らは家庭を持ち、Wで身につけた環境に優しい生き方を実践し、次世代の子どもたちに引き継いでいく。
それこそが、Wの努力に見合った「大きな効果」ではないのか。
Wのこうした考え方は、次第に全社員の中に浸透していった。
4月のメニュー改定に備え、例年1月早から見直し作業が急ピッチで行われる。
定番のグランドメニュー68品は半年サイクルで、季節を盛り込んだ特撰メニュー16品は45日サイクルで改編するのがWフードサービスの慣行。
販売実績やアンケートによる利用客の満足度調査に基づき、継続するか削除するかを一品ずつ決め、継続するものでも改良点があれば、どんどん手を加えていく。
先頭に立つ商品開発部長K(35)は「反省材料としての数字も重要だが、常に新しく、内容あるものに吟味する姿勢が大切。
お客さまの驚きと笑顔を思い浮かべながら取り組んでいる」と、話す。
門司が部員とともに試行錯誤した作品も、最終関門の試食会をパスしなければ日の目を見ない。
社長W、専務業務本部長のT、常務営業本部長K、直接の担当、常務商品本部長Yを加えた4人は、必ず顔をそろえる。
今回、門司はメーン商品であるWサラダを、卵とポテトを混ぜたミモザ風に作り替えた。
カニッメをニ本あしらった豪華な出来栄えで、原価率も22%に収めた。
自信を持った新提案だった。
テーブルに出された試作品を一瞥したWは、即座に言い放った。
「遊び過ぎだ。
もっとベーシックなものでなければ、Wの店にはそぐわない」門司の苦心作は試食もされずに、その場ですぐ手直しを命じられた。
1月中旬まで計4回、延べ8時間かけて行われた試食会で、新しいメニューがほぼ固まった。
Wサラダは結局、ミモザ風ではなく、いろいろな味を楽しめるミックスサラダに改良することが決まった。
現在のメニューを徹底的に分析し、同じ価格でより品質のいいものを追求する。
これまで積み重ねてきた改良のノウハウを、すべて注ぎ込んで新商品を開発する。
苦労して作り上げたメニューは、最愛の子どものようにかわいい。
すべてのメニューについて客100人当たり何人が注文したかを、選択食数度としてとらえている。
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